VISION of UD

中川 聰  SATOSHI NAKAGAWA

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 「すべての一人ひとりの使い手に使い易いデザイン」
この途方もない命題を打ち出したロン・メイス氏は既に故人となりましたが、その思いの底辺を流れる意味は、本来私たちが自分自身の生活の中で自然に等身大の意識として持てるものだと思えます。来るべき21世紀は、社会の急速な高齢化現象の中で再び世紀の幕を開けることとなるでしょう。そうした社会環境の中ではきっと、「今までのデザイン」では使えないモノや、使えない人々を多く出現させることになるのは明白です。その問題の解法の一つの大きな糸口となるのが、ユニバーサルデザインの考え方や技術、そして活動であるという見解は、今や国際的世論となりつつあります。
 私たちユニバーサルデザインフォーラムの創設に関わって来たメンバーの願いは、高齢社会の到来を一つの好機として、私たちの生活環境を取り巻くデザインの意識や環境、モノづくりの、そして情報やサービスのあり方を再度、我が国の現実と社会そして経済環境に照らし合わせて、可能な点から改善・進化させていこうというところにあります。言い換えれば、日本という社会の中に、この国を中心に発展してきた思想をより良い形で理解・適用していく考え方や仕組みづくりを目指していきたい、と考えています。私たちのフォーラムでは、産業界を始めとしてより多くの人々がこうした私たちの活動に興味を持っていただき、共に考え、意見や経験を交流できる、自由な雰囲気を持った機会や環境を創り上げていきます。
 最後になりましたが、私たちが指導を受けてきたダイアン・ピルグリム米国クーパーヒューイット・デザインミュージアム館長の言葉を引用させていただき、発足のご挨拶にかえさせていただきたいと考えます。
 「私たちにとってデザインとは20世紀型のそれだけではないはずです。私たち人類は、先史時代よりデザインという概念を持ち、社会を形成してきました。その時代を懸命に生きる人々によって、より良く考えられたデザインは、まさにその時代を共に生きるより多くの人々にとって、使い易い環境を持つはずです。」

プロダクトデザイナー
1953年生まれ
千葉大学大学院美術研究科 修了
トライポッド・デザイン株式会社 代表取締役
東京大学大学院工学系研究科機械工学専攻  
デザインイノベーション社会連携講座 特任教授
米国IDSA会員
JIDA(日本インダストリアルデザイナー協会)
会員

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2011年の大震災以来、hug japan の活動を通して海外に向けた被災地の情報発信や被災地の子ども達の表現活動の支援活動を行って来た。
その間,1999年から本格的な活動を続けて来たユニバーサルデザインフォーラムの活動はやむなく一時的に休止となり、普遍庵のコラムもしばしお休みとしていたが、この3年間、被災地を歩いて学んで来た事を振り返り、7月から最初にユニバーサルデザインに出会った1980年代後半の志に立ち戻り、その思想や技術に関して時間のある限り、ゆっくり考え直してみようと思い立った。
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UD評価と認証

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Universal Design Lab.pngユニバーサルデザインの技術に依る製品開発や環境設計などソーシャル・デザインとしての価値と成果を生み出す実践的な研究開発を紹介しながら、その考え方や技術の価値について紹介します。

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